田植えに向けての準備

まもなく田植えとなりますので、ここまでの田植えに向けての準備をまとめておきます。

まずは種籾の脱芒(だつぼう)と選別。
脱芒とは、種籾をまく際に引っかかってじゃまになる、種籾についているヒゲ状の突起のような芒(のぎ・のげ)を取ること。そして選別は、種として不良な種籾を取り除き、良質な種籾を選び出すこと。
この2つの作業を同時に行ってくれるのが脱芒選別機「だつぼー君」。

昨年、収穫時に確保しておいた種籾をこの機械に投入すると、種籾を”もんで”芒を取り除きます。そして、そのまま粒径選別(種籾の大きさで選別)を行い、芒の取れた種として良質な種籾を選び出すという優れもの。この機械を使って、脱芒と選別を行います。

上から種籾を投入。右から選び抜かれた良質な種籾が出てきます。
左からは、未熟なはじかれたものが排出。

次に行うのが、種籾の温湯消毒です。
これは薬剤を使わず、お湯を使った消毒方法で、環境にも優しいものです。
種籾には、いもち病などの病気を引き起こすさまざま菌がついています。そこでこれらの菌を、お湯を使って殺菌するというわけです。
種籾に影響をおよぼさない温度、60℃のお湯に10分間(または58℃に15分間)浸しておきます。こうすることによって、病原菌の活動を抑え込みます。

種籾を熱めのお風呂に入れて消毒です。

温湯消毒後は、すぐに冷たい水に浸けて温度を下げ、種籾をまくまで水に浸して浸種(しんしゅ)させます。この浸種は、積算温度が100〜120℃が目安とのこと。つまり10℃の水なら10〜12日間浸けておくのが理想のようでが、冷たい水なら長く浸けておいても問題はないようで、今年の場合は8℃前後の水に20日間くらい浸けておきました。

そしていよいよ播種作業です。
稲の苗を育てる苗箱に、土を入れ・水をかけ・種籾をまき・土をかける。この一連の作業を行ってくれる播種機を使います。
これは苗箱が運ばれることで、土を入れ・水をかけ・種籾をまき・土をかける、という流れ作業をすべて自動で行ってくれるという優れもの。人間は、苗箱をセット、土の補充、そして一連の作業が終了した苗箱を運び出すだけですみます。

ちなみに、この播種機は自分も加入している組合が所有するもので、これを借りて行い、有機栽培を行っている仲間たちと協力し合って作業を行います。

自動の流れ作業で、土入れから播種までこなしてくれる播種機。
有機専用の土を使用します。

こうして、種籾の準備から種籾の播種作業を終えて、現在の苗の状態がこちら。

ビニールをかけたトンネル内で育苗中の苗。もう少し、田植えができるまで生長させます。

水をはったプール状態のビニールトンネルの中で、田植えまができる状態まで育てています。
発芽したての頃はちょっと不揃いで心配でしたが、その後はなんとか順調に生長しているようです。

米づくり

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